連載・夢のかなたの街/川﨑大助/最終回:あとがき
【SERIAL STORY】Cities Beyond Fictions by Daisuke Kawasaki the last episode -afterwords-
「変わった」点に気がついた
連載を書き終えたあと、振り返ってみて気づいたことが、ひとつふたつある。ひとつは「変化」だ。なにしろ七〇年代から二十一世紀までの長きにわたり、そのときどきに自分がいた場所について記したものだったから、記述のなかにある「僕」と、いま現在のそれとは大いに異なる部分がある。さらに文章のなかの「僕」ですら、そのときどきに存在した時空間ごとに変化している。
街も人も「変わって当然」なのだから、これはごく普通のことだ。なにもかも、幾度も変化し、変転した。街そのものも、同じ地名のエリアはまだ同じ地点にあるかもしれないが、存在の本質が変わってしまった例もある(渋谷がそうだ)。なによりも、その場所にいる人が変わった。当時自分と同じ場所にして、しか…
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